はじめまして

クラフトサングラス tesio(テシオ)は福井県鯖江の街から少し離れた、日本の原風景に近い景色が広がる場所にある谷口眼鏡(たにぐちがんきょう)という眼鏡工場の職人が作るファクトリーブランド。1957年からプラスチックの眼鏡枠(フレーム)一筋に作り続けてきたことで培った技術と知識、オリジナル眼鏡ブランドでの経験を活かしたものづくりを行っています。私たちの作るフレームは1本ずつ、職人が手作業で作っているので大量生産は出来ませんが、手で触れて確かめながら作り上げることでお顔に馴染む掛け心地の良いフレームが生れます。機械製造が当たり前になった現代でも、人が感じる心地良さを生み出せるのは、変わることなく人の手であること。それが、谷口眼鏡のものづくりです。
  • なぜ今、
    サングラスブランドが
    必要なのか

  • まぶしい日差しや年々強くなる紫外線、目に良くないことは分かっているんだけど、ついついそのままにしてしまう。でも、サングラスって手を出しにくい…。掛けてみるけどしっくりくるサングラスが見つからない。自分の雰囲気や服に合わなかったり、どのブランドが自分にマッチするのか分からない。問題というほどではないけれど、満足できるサングラスがあれば掛けたい。
なぜ今、サングラスブランドが必要なのか
近年、眼鏡やサングラスは目の矯正・補正や保護といった医療器具という認識だけでなく、ファストファッションとして大きく広がり、私たちの生活に根付きました。でも「サングラスと言えばどのブランド?」と質問すると返ってくるのは海外ブランドの名前…。そう、日本ブランドのサングラスが無い。サングラスを日常的に掛けている人には満足度や重視するポイント、サングラスを掛けていない人にはその理由を聞いて回ったところ、普段から掛けている人も掛けない人も満足していないポイントとして挙げたのが「掛け心地の良さ」でした。既存のサングラスブランドは海外ブランドが多く、鼻が高く彫りが深い欧米人などの顔を基準に設計されているので鼻が低く、頬骨が出ていて平らな顔の私たちがそのまま掛けるとフレームがズレてきたり、まつ毛が当たる、頬骨に当たってしまうなど掛けにくいのはあたり前でした。

掛け心地が良くて、日常的に掛けやすいサングラスは欲しい。
そんな当たり前な満足感も満たすことができていない現状に驚き、無いのなら自分たちで造ってしまおうと動き出した2019年。

日本人に使ってもらうことだけを考えた掛け心地と、服や靴のように生活の中であたり前に使いやすい形と色。そして、私たち眼鏡工場の職人が作るサングラスだからこそ壊れた時でも修理して永く使えるようにしようと考えました。

私たち職人が丁寧に作ったサングラスが、使う人たちの手によって日々の生活に馴染んで愛着のあるものになっていく。
大切に育てるという意味を持つ「手塩にかける」から名付けた〔tesio〕。

みなさんがtesioを買って終わりでなく、永いお付き合いのスタート地点。例えばtesioを使って3年を迎えた時、どんなコンディションにあるのか。
共に過ごしてきた期間の満足度はどうだったのか。一般的にモノの価値は、買った時にピークを迎えることが多いようです。でもそれを変えたい。
永く使う中で、その人にとっての価値がむしろ高まっていく。日本人に毎日掛けたいと言ってもらえるクラフトサングラスを目指しています。

思わず声の出る掛け心地の良さ
日本人のためにつくった
サングラス

思わず声の出る掛け心地の良さ日本人のためにつくったサングラス
掛け心地を良くするポイントは3つ「位置」「重さ」「摩擦」。

POINT 01 位置

  • ひとつめは、掛ける人の顔や耳・鼻の形を考え適切な位置と形にすること。鼻が高い、頬骨が出ている、顔が小さい大きい…、お顔の特徴は十人十色です。日本人の顔の特徴は鼻パッドが当たる部分の鼻高が低く、目元が前に出ていて頬骨が出ている、いわゆる平たい顔。そして、頭部は卵型と言われる楕円形でアジア人特有な形です。例えば、欧州や欧米の人は鼻が高くて、目元に奥行きがあるので鼻パッドが無くても問題なく掛けることができるのですが、そのフレームをそのまま私たち日本の人が掛けると数秒に一回はクイッとフレームを上げないといけないほどずり落ちる最悪なフレームになります。サイズや形を日本人の顔に合う適切な位置と形にするだけで驚くほど掛け心地が変わるのですが、実はこれが難しい。長年、アジア人向けの眼鏡フレームを作り続けてきた経験と技術があったからこそ実現できました。谷口眼鏡で眼鏡フレームを継承し続けてきた歴代の職人さんには感謝しかありません。
  • POINT 01 位置

POINT 02 重さ

  • ふたつめは、フレーム全体の重量バランスに気を付けること。tesioは単に掛けやすいだけでなく、長時間掛けても疲れにくいサングラスを目指しました。軽い=掛け心地の良いフレーム…というのは少し違う。サングラスや眼鏡はレンズの入るフロント部分が重くなるので、ただ単に重量を軽くするだけでは前方に落ちる力は変わらず鼻が痛くなったり、すぐにずり落ちてくるストレス要素満載のフレームになります。耳に引っかけて落ちにくくする方法もあるのですが、耳の後ろが痛くなることも…。tesioのフレームは比較的太くて厚みがあるので手に持った時は重いと感じますが、掛けると不思議とその重さを感じにくい。フロントは丁番を埋め込む両端は厚くして、レンズが入る中心にかけて薄くすることで軽く。耳に掛かるテンプルは耳の後ろに来る部分を厚くふっくらとボリュームを持たせることで、あえて重くして重心を後ろに持たせる。要所で生地の厚みや上下の幅によって軽量化を図る部分と、あえて重くする部分を作りメリハリをつけて後方に重心を持たせています。そうすることでパッと見は分からないですが、掛けた時に前後のバランスが整い、思わず声の出る掛け心地の良さになっています。
  • POINT 02 重さ

POINT 03 摩擦

  • 最後は、肌に触れる面積を多くすること。ずり落ちにくく快適な掛け心地をキープするには肌とフレームで起こる「摩擦」も重要です。なんだか物理の授業みたいになってきましたが…。簡単に言うと肌と触れている面積が広いほど摩擦の力が生まれるので、フレームが前に落ちにくくなる!ということ。重量バランスでも出てきた「生地の上下幅」ですが、重さだけではなく摩擦を生むための工夫でもあります。後方重心だけではなく、摩擦の力が加わることでピタッと顔にフィットして掛けてることを忘れるほどの心地良さが生まれます。
  • POINT 03 摩擦

ありそうでなかった、
毎日掛けたいちょうどいいデザイン

ありそうでなかった、毎日掛けたいちょうどいいデザイン
格好付けている、怪しい、怖い、お忍び感が出る…。
あまり良くないイメージがサングラスにはないでしょうか。
実際に業界の人間である私たちもそうでした。笑
でも、tesioを掛けるとそんなイメージがなくなるかもしれません。

tesioは昔から選ばれ続けているスタンダードな形を基本にしています。簡単に分けると、四角くシャープに見えるウェリントン系、丸くて優しい印象になるボストン系の2つ。さらに、少し角を落として丸みをつけることで顔に馴染む柔らかい形になるので掛けることで個性を出すというよりも、顔に馴染ませる様に掛けるサングラスというのが正しいのかもしれません。

圧迫感のある怖い印象はレンズとフレームの色によって大きく変わります。tesioで使っているレンズは淡く薄い色を中心に選んでいるので、目元が見えやすくそれだけで圧迫感が無くなり、淡いレンズだと屋内に入った時も掛けはずしをしなくていいのもポイントです。でも、目の色素が薄い人は光に弱い場合があるので、レンズの色の濃淡には気を付けてください。ちなみに、全てのレンズがUVカット加工されていますので安心してください。

レンズと同じくフレームの色も大切。黒などのシックな色は格好良くなりますし、クリア系の色だと目元が明るくなる、その日の気分や服によって使い分けるとより楽しめる。数本を順番に掛けるだけで、劣化しにくくなりより永くお気入りのサングラスを使い続けることにも繋がります。

より心地良く、
より永く使うことができる素材

より心地良く、より永く使うことができる素材
tesioのフレームは1モデル1サイズ展開なので、ある人にとっては100点満点の掛け心地でも80点の掛け心地に感じる人もいます。
製造工程で加工しやすく、沢山のカラーバリエーションがあり、掛ける人の顔に合わせて形を加熱調整できる素材。
サングラスに求められる条件を満たすのが「アセテート」の生地です。アセテートは綿花やパルプを主原料とした植物由来のプラスチック生地。
加熱することで手で曲げられるほどの柔らかさになるので、使う人のお顔に合わせて調整ができる最適な素材。反面、その柔軟性によって使っているうちに型崩れが起きることもありますが、再び調整することで元通りに直せるので安心して使い続けることができます。
アセテート生地はその鮮やかな発色や奥行きのある柄が美しく、使用する生地によっては同じデザインで同じ場所で作られたフレームであっても1本1本、柄や色の濃淡が違うので世界に一つだけと言っていいフレームが生れます。
大きい生地だと畳一畳分ほどの大きさがあり、数ミリ単位で厚さの種類もあります。鯖江での眼鏡・サングラス作りはフレーム1枚に必要な大きさにカットしてから、削ったり、研磨を繰り返すことで1本のフレームを完成させる切削加工で製造しています。加工のしやすさもアセテート生地が選ばれる理由です。
そして、磨くことで艶が出るアセテートは傷が付いたとしても職人が研磨することで傷が消えて綺麗な艶が戻ります。
身体にフィットして心地良いと掛ける時、気持ちが上がります。服や靴のようにサングラスも同じです。使い始めた後、愛着を持って永く使って欲しいからこそメンテナンスや修理をすることまで考え素材選びをしています。

かかりつけのお医者さんがいるサングラス

かかりつけのお医者さんがいるサングラス
私たちの言う「一生もの」とは、大切なものをお手入れしながら永く使うということ。お気に入りのものほど使う頻度が多くなりその分、お手入れが必要だったり、傷や故障も起こりやすい。そんな時はtesioを作った職人に声をかけてください。傷や型崩れなどの定期的なメンテナンスから掛けることができないほどの修理まで受け付けています。サングラスブランドが直接リペアをするのは大変稀なことなんですが、安心して永く使うためには必要なこと。これは、素材選びから設計、製造、販売を一貫して行っている工場だからこそできる提案です。
そして、私たちがtesioをクラフトサングラスと呼ぶのは、職人たちが手で1本ずつ丁寧に作っているから。この「手で作る」ことこそ、掛けた時の心地良さやお手入れや修理をしながら永く使い続けられる理由。谷口眼鏡で造るサングラスはほとんどの工程を職人たちの手で行っています。角を落とし肌に優しく当たるようにするヤスリがけ、小さな部品だけど掛け心地に大きく影響する取付作業、綺麗な艶を出す研磨作業。自分たちで一から作るからこそ構造を理解して、毎日のように繰り返してきた作業で身に付けた技術によってメンテナンスや修理をすることができます。昔はひとつのモノを大切に使い続ける文化が当たり前でした。もし壊れてしまっても修理できるお医者さんみたいな人がいた。大切なものを永く使い続ける文化が今サングラスにも必要です。私たち谷口眼鏡の職人がtesioのかかりつけのお医者さんとなり、使い手のみなさんによりそっていますのでどうぞ、安心して使ってください。そして、修理が必要になった時にはtesioが作られた谷口眼鏡に里帰りさせてください。掛け始めの時のように綺麗にしてあなたのもとにお戻しします。